2013年07月14日

ブレヒト演劇の現在 −ブチ氏のアンコール−

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ブレヒトの研究家として偉大な功績を遺された岩淵達治氏。
今年の2月に池袋駅西口の路上で倒れ、緊急搬送されましたが
搬送先の病院で帰らぬ人となりました。享年85歳。
死因は肺気腫(推定)だったそうです。

そして先日、有志の皆様主催による偲ぶ会
「ブレヒト演劇の現在 ‐ブチ氏のアンコール−」が
学習院大学百周年記念会館で営まれ、参加してまいりました。
http://homepage3.nifty.com/tak_net/iwabuchi.html

ブレヒト研究家、演出家、教育者等々さまざまな顔をお持ちだった岩淵氏、
実は私にとっては高校時代のドイツ語の先生でもありました。

学習院女子部時代、岩淵先生、そしてロベルト・シンチンガー先生の授業を
直接受けていたなんて、今から思うと贅沢すぎな学習環境です(滝汗)。
岩淵先生もシンチンガー先生もとても優しくて、私はドイツ語のクラスが大好きでした。
残念ながら現在、ドイツ語に接する機会は皆無でほとんど忘れてしまいましたが…

さて、偲ぶ会の内容です。
よくあるパターンの、正面に遺影を掲げて献花や弔辞というような会では全くなく、
まずは岩淵先生が温めていらしたテキストの舞台化
「ブチ氏の最後の8mm」が上演されました。
フィルムと演劇、そしてナレーションによる構成です。
そして第2部はブレヒト・ソングのライブ。
ピアノやホーンセクションの生音も入ってフィナーレはとても賑やかでした。

そして出演者全員揃ってのカーテンコール。
なんだか今にも上手(かみて)の袖から岩淵先生が飄々と出ていらして
観客席に向かってご挨拶されるのではないかと…
そんな錯覚に陥っていました。


最後にご子息の岩淵令治さんがご挨拶をされました。
大学教員としては授業がとても厳しく「鬼」と呼ばれることもあったとのこと(!)、
仕事熱心な性格はずっと変わらず、80歳を超えているのだから無理もないのに?
『なんだか最近原稿の依頼が減っちゃってさぁ〜』とボヤいたり
テレビでドラマを見るとずっとテレビに向かってダメ出しをしていた等々。

岩淵先生、今年の2月に倒れた時には
ちょうど文学座初のブレヒト演劇である
「ガリレイの生涯」の打ち合わせに入ったばかりの時期だったそうです。
「ガリレイの生涯」は6月に東池袋のあうるすぽっとで上演されました。
http://www.bungakuza.com/galilei/index.html

なんとブレヒトもまた、「ガリレイの生涯」の稽古中に亡くなったのだとか。
不思議な偶然。


私が先生に最後にお会いしたのは数年前、
シアターX(カイ)で先生が演出された
チェーホフの芝居を見に行った折でした。
お年を召されても、ずっとダンディだったいう印象があります。

先生のご冥福をお祈りいたします。
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posted by masako at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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