2012年12月31日

「祈りと怪物 〜ウィルヴィルの三姉妹〜(KERAバージョン)」

先日、KERAさん演出版の「祈りと怪物」を見てまいりました。
2回の休憩を挟んで4時間超えという長丁場にも関わらず
全くダレがなく、非常に面白かったです。

5月にもナイロンの「百年の秘密」を観て
今まで観たナイロンの芝居の中でベストかも!と思ったのも束の間、
数ヵ月後にあっさりベストが更新されるとはビックリです。
しかもこれ、書き下ろしの新作とはおそるべし…

百年の秘密でも好演していた犬山イヌコさんが今回もとても良い。
主演のドン・ガラス役の生瀬勝久さん、傲慢で冷酷な性格破綻者なのに
パワフルで魅力的という難しいキャラクターをブレなく演じていて格好良かった。
ただ母親と娘達の年齢から逆算するとドン・ガラスは70歳ぐらいのはずでは。
どう見てもまだ50代のギラギラの親父でした。
単に生瀬さんがカッコ良すぎなのか?

タイトルの「怪物」とは何を指すのか、考えれば考えるほど
いろいろな解釈ができそうです。
流れ者の「ヤン」の立ち位置がやや微妙かも…
ネタバレしたくないので詳細は書きませんが
彼が探し求めていたあの結論はなんとなく途中で予測がつくし
結局お話の流れを決定づけるものでもなかった気がします。
ちょっぴり、「百年の秘密」に通じる展開でもありました。

直接の描写は少ないけれどお話としては結構グロい悲劇です。
エロの方も女優陣が体当たりで潔いです
(と言っても期待するとまったく肩透かしだと思いますが)。
権力側にいる若者と被差別側の娘が恋に落ちるくだりなどは予定調和っぽいけれど
パブロ(近藤公園)の人間性を目覚めさせる手段として必要だったのかな。

ドン・ガラスの三女マチケ(安倍なつみ)の持つ
可愛らしさと残虐さの描写は秀逸でした。
それはあたかも、ネガティブな過去に閉じこもって生き続ける祖母を必死にかばう
トビーアス(小出恵介)の、開き直った残虐性の発露と
往生際の悪さの対比と呼応するよう。
もちろんマチケとトビーアスも悲劇のカップルなのです。

観ていない方も多いと思うのでこれ以上の詳細は控えますが
時間の経過は本当にあっと言う間で引きこまれました。
ラストに絶対もうひとひねり来るだろうと思っていたら
案外素直に終わったので「あれ?」という感じ。
チャンスがあったらもう1回観たかったです!
パスカルズの音楽も良かった。
ちなみにパーカッションはあの「たま」の石川浩司さん、
相変わらずいスゴイ存在感でした。

来月は蜷川演出版の公演がありますが
多分全然違う作品になるのだろうな、となんとなく予想。
個人的に蜷川氏の演出が苦手なので
観に行くかどうかはまだわからず…迷い中。


さて。
今年もあと数時間となりました。
書きたいことはあれこれあったのですが
なかなか書く時間が作れず、忸怩たる思いが。

それでも今年は収穫や進歩があり
いろいろな変化が起き続けているのも確かです。
さて来年は…??

それではどうぞどなた様も良い新年を。
来年も宜しくお願いします☆
posted by masako at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 見てきました。
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